アマゾンにおける、ビジョンとアクションの連携

以前参加した勉強会で発言したこと。

ビジョンとアクションの連携について。


■ビジョンとアクションの連携に悩む企業が多い中、個人的な経験からするとアマゾンはこの設計がうまくできているなぁと感じます。


アマゾンのビジョンの一つは「地球上でもっともお客様を大切にする会社」。このビジョンは実にいいかなと。なぜなら、これを実現することこそが「競争優位につながる」からです。


逆にイケてないビジョンは、それを実現したところでビジネスの強みとなるか(中長期的に儲かるか)疑問なもの(多い)。ロマンの色だけが強かったり。


そうなると、会社のビジョン実現に向けて、組織が従業員が行動しなくなるんじゃないかなと。 ※そもそも、ビジョンとアクションの連携を企図できている会社が多くないですね。


■加えて、アマゾンではビジョン実現のための下位概念(すべきこと)が明確です。

 1:品揃え(の拡大)

 2:価格(が安い)

 3:利便性(の向上)。

これらを各組織がどのように追及していくか、鎬を削っている。「地球上でもっともお客様を大切にする会社」であるために、徹底的に「カスタマーエクスペリエンス」にこだわり、これらを実現させる上では1-3が必要である、と。


■この「カスタマーエクスペリエンス」のさらなる向上のために設けられているのが、14の行動からなる「リーダーシップ プリンシプル」です。


列挙すると、こんな感じ。

①Customer Obsession 

②Ownership 

③Invent and Simplify 

④Are Right, A Lot 

⑤Hire and Develop the Best 

⑥Insist on the Highest Standards 

⑦Think Big 

⑧Bias for Action 

⑨Frugality 

⑩Vocally Self Critical 

⑪Earn Trust of Others 

⑫Dive Deep 

⑬Have Backbone; Disagree and Commit 

⑭Deliver Results 

※これらは少しずつ変えていっている


これら14のプリンシプルは人事評価(しかも360度)で用いられていて、いわば「個々人の損得」に大きく関わることもあって、浸透しやすい。また「行動ベースの文言」となっているので、アクションとして発揮できるというわけですね。


■まとめ。

【ビジョン設定】

競争優位を生み出すビジョンになっている

 ↓

【測定可能】

そのビジョンは各種KGI・KPIで規定され、測ることができる

 ↓

【目標とのリンク】

それらをブレイクダウンして各部署の目標に落とし込むことができる

 ↓

【行動とのリンク】

ビジョン実現のための個々人の行動がプリンシプルとしてデザインできている

 ↓

【浸透の仕組み】

その行動をするような力学発生装置(評価など)を日常に組み込むことができている。


以上、かなり加筆しましたがメモでした。

人と組織と、仕事のこと。

かたちのないものを、言語化したり図解したり。